【大型精密機械加工とは】
CNCマシニングセンタ等の工作機械を用いて削ったり孔を開けたりする事を一般には機械加工と呼ばれています。多くは手で持てる程度の重さや大きさです。
ここでは概ね1m以上の素形材に対する機械加工を「大型精密機械加工」と定義して記述します。
昨今、工業界では自動車業界のギガキャストのように組立コストを削減したり強度向上を図る目的で、大きくて複雑な形状な部品を一体で作ることが増えつつあります。
部品だけではなく、それを作るための金型や機械も大型化しており、巨大なレーザー切断機や切削マシンが数多く開発され、大型精密機械加工技術は急速な進歩を遂げつつあります。
一般に大型精密機械加工品は重要設備に用いられるケースが多く、高い信頼性を求められる傾向にありますが、自らの重みによるひずみやたわみ、切削主軸やベッド、ワークの熱膨張、残留応力、周辺環境や駆動系からのメカニカル振動など、その大きさゆえの技術的課題が数多く存在し、製作を困難にしているのが現状です。
一言で表現するとしたら、大型精密機械加工の核心は「トン単位の信頼性」と言えるでしょう。
全体幾何形状に焦点を当て、重切削剛性、長時間連続製造工程内での精度保持、形状・位置公差制御を確立するために高剛性で高出力、高精度な大型製造設備を用意し、熱変形の制御、治具の設計、他工程との連携に細心の注意を払い、確実な製品を安定的に供給するために材料確保を熟考することが求められます。
母材は鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、高強度合金などが一般的ですが、その中でも鋳鉄は強度的にも振動共振抑制的にも優れた母材であり、最も多く採用されています。
尚、複数の母材を溶接して粗方の形状を作ってから機械加工するものが大半です。
主な用途
- 工作機械のベッド、テーブル柱、梁などの構造体、ガイドレール
- プレスマシンのボディ、フレーム
- 板金プレス用金型、ダイカスト用金型、鍛造用金型、射出成形用金型、モールドベース
- 射出成形機のプレート、タイロッド
- 重機(油圧ショベル、クレーン)のシャーシ、ブーム
- 発電設備(蒸気タービン、ガスタービン)の筐体
- 減速機(風力発電、船舶、鉱山)の筐体
- 船舶や機関車のエンジンブロック、シリンダーヘッド
- 化学プラント、水利設備のポンプ、バルブ減速機の筐体
- 半導体、研究設備の真空チャンバー
- 大型ベアリングのハウジング
- 大型産業機器のギヤボックスやメカニカルボックス


